どこかポップさのある映画ポスターは、その実かなり陰鬱とした復讐劇。
大体3転くらいするストーリーだけど、それでいて綺麗にまとまっといて、インパクトもあるしカタルシスもある。
センセーショナルな演出も、大袈裟な過剰さもなく、変に″ねっとり″してない。この手の作風は大抵「食傷」気味になることが多いのだけど。久しぶりに「刺激的」な映画を劇場で観ることができたかもしれない。
非常に意見の割れそうな終わり方は、主人公のしていることが正しいけれど、決して全てがうまくいったかのような、カタルシスの帰着ではないんだよ、と言われているようなアンサー。
それでも私は、やはりカタルシスが優ってしまうわけだけど。
しかし、この映画で起きていることは、現実世界ともリンクしている。「加害者」に裁きは下されず、一体何が「被害者」にとっての救いとなるのか。
イングランド出身で、女優業や劇作家をこなすエメラルド・フェネル監督。彼女は35歳とまだまだ若いですが、本作品でアカデミー脚本賞を受賞しました。
そしてこの映画で、彼女は爪痕を残したと思う。かなり扇情的で、爽快で″胸焼け″のする爪痕を。