みかぽん

プロミシング・ヤング・ウーマンのみかぽんのレビュー・感想・評価

3.9
主人公は泥酔(のふり)で下心ありあり男たちを明りに群がる蛾のように誘き寄せ、日々、鉄槌を下しては戒めているのだが、そもそも彼等に心からの反省など期待出来るかは疑問。
せいぜい〝ネジが外れた女に絡まれた〟位の扱いではないか。
私にも、彼女は未来を棒に振り、おまけに全く幸せそうには見えなくて、その行動は不毛にさえ映ってしまう。
そして作品を追いながら、その姿を〝阿修羅〟にも重ねていた。
阿修羅は仏像女子の登竜門?ともいわれる端正な顔立ちで有名だけど〝正義〟を司る神ともいわれている。
阿修羅が戦いを挑む帝釈天は〝力を司る神〟であり、力は劇中男性たちの立ち位置や実際の腕力にも象徴されているようにも思え、その姿や行動は主人公の復讐対象にもなった。
力の神、帝釈天は阿修羅とは絶対的な力量差があるが、阿修羅は負けても負けても帝釈天に挑み続ける。(光瀬龍の小説、「一億の昼と千億の夜」の中では、確か四億年も戦っていたはず…😨😨)
そもそも阿修羅が復讐の徒となったのは、大切な身内が帝釈天に誘拐され、蹂躙されたから。
とはいえ、例えその復讐が正義であったとしても、それに固執し続けると善行からはかけ離れ、妄執世界の囚われ人となる。結果、阿修羅は天界を追われ、修羅の世界で生き続ける事となる🥲。
・・・などと言いつつも、主人公が復讐の徒となった当時を語り、彼女を諭す学部長は、災い事が現在進行形で自身の娘に被っている事を知るや、我を忘れた動揺振り!直前の冷静な言動がいかに他人事で偽善であるかを見せつけられるというか、とどのつまり、阿修羅を主人公に重ねて距離を取る私自身も同罪に思え、呆然とするしかなく😰😰。

ラスト、主人公の覚悟とオトシマエをどう消化すれば良いのか…。未だ心に錘が重く下がったままの衝撃作品、、。
みかぽん

みかぽん