コーディー

ほんとうのピノッキオのコーディーのレビュー・感想・評価

ほんとうのピノッキオ(2019年製作の映画)
3.7
衝動的に自由を欲する木から生まれた男の子。
生みの父ジェペットの紐から解かれた彼を操ろうと近付く者達、そんな悪意や欺瞞を浴びながらも厳しい旅を通して心を育み人形は人間を知る…
思ったより毒は弱いけど幻想的で奇怪、可愛げより弱さ醜さを鮮烈に描く現実感は良いね!

貧困など過酷な現実の中にある善意だけではない歪み、エゴに塗れた世界をピノッキオの視点で見つめる。特殊メイクによる活きた表情もリアルな感情を届けるし、取り巻く奇抜な造形のキャラ達も愛嬌と不気味が入り混じる奇妙な感触w
ただ様々な苦境を越えていく割にほ教訓的なものに然程変化がなく、やや退屈かな。

所々酷さを強調するシーンもあるけど意外と原作に忠実で物語としては特に目新しさはない。
『ドッグマン』のマッテオ・ガローネ監督なので不穏全開、完全に大人向けに振り切ってるかと期待したけどビジュアル以外は結構優しい。まあキツネとネコの醜態とかなかなかやけどw個人的にはもっとダークが良いかな〜。