爆裂BOX

バトル・インフェルノの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

バトル・インフェルノ(2019年製作の映画)
4.2
ヤラセの悪魔祓い番組をネット配信しているスタッフたちが何時もの様に番組を配信していると本物の悪魔が降臨する!という設定の映画ですが、ほぼスタジオ内のワンシュチエーションながら次々と事態が展開していって飽きませんね。主人公であるイケメンニセ神父マックスが悪魔に嘘や罪を懺悔するように迫られ、追い詰められていく様も見応えありましたね。でも、あれはあの婆さんもかなり悪いと思うけど…殺しちゃうのは勿論だめだけど。ガラスの上を歩かされるシーンは痛々しかったですね。
マックスがナンパした女性や韓国の警官、少年などネット配信を見ている人達の描写を挟むことで展開に変化をつけているのも良いですね。マックスが首吊りするか否かの選択を委ねられたときに必死でハート連打する少年の姿は良かったですね。投稿されるコメントもこういう配信に投稿されそうなコメントでなんかリアルに感じました。
スタッフも次々と犠牲になっていきますが、全身火達磨になって黒焦げでただれた皮膚や幻覚を見てカッターで体を切り刻んだりと少量ながらゴア描写も中々良かったと思います。憑りつかれたレーンが椅子のひじ掛けかきむしって詰めがバリバリとはずれる所は痛々しくてゾッとしました。
マックスと親友でプロデューサーのドリューが悪魔の要求にこたえながらネットの悪魔辞典などを見ながら悪魔の名前を探ろうとする所もハラハラさせてくれて良いですね。ドリューの恋人で悪魔に憑りつかれるレーンとマックスの間にある秘密が明らかになる所で「昼ドラかよ」というコメントには笑いました。でも、ドリューと付き合う前だからレーンは悪くないのでは。そんないちいち言うこともないし。マックスはクズですが。
悪魔に憑りつかれたレーンの暴れっぷりと変貌していく顔も迫力ありましたね。よく元に戻ったな。
「バズらせてやる」と言ったり視聴者数を気にしまくるやたらネットに通じてる悪魔には最初ちょっと笑いましたけど、悪魔をネタにする主人公達の罪を暴いて懲らしめるのが目的かと思いきや、最後に明らかになる目的には「成程!」と思いましたよ。悪魔も時代に合わせてやり方変えていってるんですね。このネット時代は悪魔にとっても非常にやりやすい時代になったと言えるのかも。悪魔の正体もちょっとしたどんでん返しがあって良かったですね。祈ってるときに出た名前で「こいつじゃないかな?」とは思いましたが。焼死体を突き破って姿を現すシーンも気持ち悪くてインパクトありました。ちなみにアモンはデビルマンで不動明に憑りついた悪魔でもありますね。
ラストの展開は一気にスケールデカくなってビックリしました。あの少年がああいう風になるとは予想してなかったですし。スタジオで繰り広げられていた物語が一気に世界の終焉を予感させるところまで広がるのは面白かったですね。
ほぼワンシュチエーションの低予算作品だと思いますが、飽きさせない展開で最後まで楽しめたオカルトホラーでした。