ノラネコの呑んで観るシネマ

プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

4.2
南アフリカ、アパルトヘイトの時代。
白人でありながらANCの闘争に参加して投獄され、警戒厳重な刑務所から脱獄した3人の男たちの実話。
脱獄ものは、「どうやって逃げるのか」がポイントだが、この作品ではダニエル・ラドクリフが大胆にも刑務所中の鍵を自作してしまう。
彼はビラ爆弾の製造担当だったのだが、やはり技術を持ってると強い。
看守の持ってる鍵の形状を記憶して、その全てを木製でコピーしてしまうのだから、なにこの天才。
もちろんただ作っただけじゃダメで、脱出経路にある何重もの扉の鍵を全て試さなければならない。
鍵の制作中にバレないか、テストしてる最中に見つからないか、なかなかにスリリング。
ただ映画としては脱出のサスペンスは盛り上がるが、反面彼らの行動のバックボーンにある反差別の思想的な部分はちょっと弱くなってしまった。
面白いが、それ故に物語としてはあまり強くは残らないかな。