イスラエル人の母とパレスチナ人の父を持つ少年エイブは、文化や宗教の違いから親族がいつも喧嘩している環境の中で育ってきた。エイブの名前もイスラエル読みとパレスチナ読みで発音が変わる。それは家庭内の分断を象徴する事象でもある。
そんなエイブが、屋台で無国籍な料理を作るブラジル人の職人に出会い、料理を通して国境と文化を越えた融和を目指すというストーリー。
とまあ、社会派ドラマとしての設定にはなっているものの、まずは美味しそうな料理とお洒落なインテリア、そして主人公の美少年っぷりで、とにかく絵的に映える映画というのが第一印象。
しかし、エイブを囲む親戚連中、特に祖父が顔を合わせる度に政治問題で口論になるという、なかなか面倒な人達で、エイブの気持ちになって考えると、本当に気の毒になってくる。
90分弱の短い尺で、さっぱりと後味良く幕を閉じる子気味良さはあるものの、すんなり話がまとまり過ぎて食い足りなさを感じたのも事実。
主演の男の子は「ストレンジャー・シングス」に出てた子なのか。さっきまで気付かなかった。