みかんぼうや

息子の面影のみかんぼうやのレビュー・感想・評価

息子の面影(2020年製作の映画)
3.2
友人と米国のアリゾナで仕事をすると出かけたきり消息不明となってしまった息子。その友人の死が発覚し、母は息子を探す旅に出る。メキシコの貧困や米国への出稼ぎにおける社会問題を題材にした作品。

息子の安否というサスペンス的テーマと“衝撃の結末”が勝負の作品だと思いますが、こともあろうか開始5分ほどでピンときてしまったオチがそのまま衝撃の結末だったこともあり、作品としてのパンチは正直低めでした。これはもはやクセなのですが、こういうサスペンス調の作品を観るたびに、色々なパターンのオチを予測して疑ってしまうのは良くないな・・・と。もちろん、そんな予測を軽く超えてくる衝撃の結末作品もたくさんあるので、その快感を追い求めて色々な作品を探し求めるのですが。

また、全体的に展開と描写が単純で段々と飽きがきて集中力を欠いてしまいました。結末に進むまでの息子探しの過程は、派手さ無しのいわゆるドキュメンタリータッチの作風で、本来はこういう作風は好きなのですが、その旅路の動きが似たような展開と描写の繰り返しで、結末に向けてどんどん盛り上がっていく感覚を持つこともできませんでした。ただ、これは仕事でかなり疲れていた夜に観たコンディションの問題もあったかもしれません。

メキシコの貧困問題・・・という点では、登場人物たちの生活環境の画などからも感じ取れるものの、そこをメインに深く突っ込んだ作品ではない(と思っています)ので、社会問題として考えるにはやや浅いというかそこまで刺さるメッセージ性はありませんでした。

が、出稼ぎに行くだけでも生死の狭間に立たされるメキシコの怖さはシンプルに伝わってきました。

自分はオチが分かり、展開的に魅力を感じなかったので低評価としてしまいましたが、想定していたオチと違う展開だった場合だったら、かなりの衝撃を受ける作品かもしれません。
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