Aya

83歳のやさしいスパイのAyaのレビュー・感想・評価

83歳のやさしいスパイ(2020年製作の映画)
3.2
#twcn

えええ?!?!

なんのためにおじいちゃん潜入してたの?!

誰のために涙を流したり

寂しい気持ちになったり

優しい気持ちになったりしてたの?!

この主人公のセルジオさんが普通に俳優さんで仕事です!演技です!って感じでやってるならわかるんやけど、あのご年齢の普通の老人をスパイ任務!とはいえ鍵付き特養施設に入れるのはめっちゃ危険やで・・・えええ?!?!

よっぽどご本人がしっかりしていて、認知の気がなく、本当のスパイ行為ではなく全部演技なのだとしたら、なかなか面白いモキュメンタリーでおじいちゃん演技力すごい!ってなるんですけど

本気でスパイ任務を引き受けて+映画撮影もしています設定だとおじいちゃんへの負担が相当重い・・・だとしたらご家族(お嬢さんと息子さん出てたけど)なかなか凄いなぁ、と。

前者と後者どっちなんだろ?

前者であってほしいですけどね・・・でもやけに法律家のクレジットが多いのでその辺怪しいですよね・・・且つこの施設の全員演技です!とかなら相当アッパレ!

後者だったらあの依頼人の探偵のおじちゃんがどういう意図でこの依頼を考えたのかがものすごく疑問です。

最初のあたりに"これモキュでっせ!"といった演出があるのですが
その共通認識どこまでだったの??

でもセルジオじいちゃん今年のオスカー来てた時楽しそうやったから、後者でも結果的に本人にとって良かったのならそれでいいんやけど。

福祉とか介護とか医療系の仕事してたり同じくらいの方が近くにいる方はえええ?!ってなると思う。

なんか・・・なにが起こるでもなく淡々と特養の日々を見せられるので(日本の特養とは介護度とか経済的な部分がだいぶ違うっぽい。日本より施設の快適さは低そうだけど自由度は高そう)かなり微妙な気持ちになった。

だってあんなご年配の方すごくすごくいるもん!
セルジオじいちゃんがスマートだしそもそも女性40人に対して男性4人。

恋しちゃう人とか物盗んじゃう人とか詩を作る才能がある人とか宣教しにきてくれる人とか色々な人が出てきます。

慣れて楽しそうな方や自分を持ってる方か逆に認知が進んでる方はそこまで心配していないのですが、自分の記憶がないことに気づいていたり家族が面会に来ないことを覚えている方とかはめっちゃ、しんどい。

チリの死生観とか寿命知らないのですが特養でお葬式するんだ・・・お別れ会とかなら分かるけどガッツリ葬式だったから、ということは引き取り手=家族がいない?(だったら施設入所のお金は誰が出したの?)、もしくはあれがわりとフツーでも家族は来てなかったじゃないですか?

チリの死生観とか寿命とか知らんけど、昨日まで一緒に笑ったりしてた身近な人が死んでしまって葬式をする。このくらいの年齢なら年間何人、数ヶ月に一度レベルで葬式あるやん・・・ハード。

チリでこのぐらいの年齢であれば"NO"の主人公と同じくらいって感じですよね?
あの時代を生き抜いてきた人にしては雰囲気が柔らかくスマホの使い方の覚えも早いしお元気なんだろうけど・・・超心配だよ。

もう心配で心配で夜は眠れるけど心配だよ!

企画の意図がめっちゃ知りたい。


日本語字幕:渡部 一治
Aya

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