こなつ

ドリーム・ホースのこなつのレビュー・感想・評価

ドリーム・ホース(2020年製作の映画)
4.0
イギリス・ウェールズ地方の谷あいの小さな村が舞台。奇跡の実話の映画化。2015年、ドキュメンタリー映画が制作され、サンダンス映画祭で観客賞を受賞。今回、満を持しての長編映画化となった作品。

夫と二人退屈な日々を送っていた主婦ジャンが、馬主経験のあるハワードの話から興味を持ち、競走馬を育てようと思い立つ。ひとりの主婦と片田舎の小さなコミュニティで育てた馬が、試練を乗り越え、最高峰のレースに参加するというおとぎ話のような実話。

かつては炭鉱の村として栄えたものの、寂れて時が止まったかのようなコミュニティ。変化のない毎日の中でもワクワクするものがあれば、人生を諦めかけていた大人達にとって、それは生きがいになり、人生が再び輝き始める。

ウェールズの人達の熱い郷土愛に胸が打たれる。主役のジャンを演じるトニ・コレットをはじめ、ウェールズ出身者が多く関わっているこの作品。

劇中、トム・ジョーンズの「デライア」が歌われ、大合唱になる。そのトム・ジョーンズもまたウェールズの出身であり、競馬場でウェールズ国家を歌ってその美しい歌声で魅了したキャサリン・ジェンキンスもウェールズ出身の歌姫だ。

競馬のことは全く素人だが、素人の私から見ても、ドリームアライアンスは荒削りで頼りなくて、とても勝ち進んていく馬には見えない。本物もあんな感じだったのだろうか?テレビで見る競馬中継で、障害物競技は見たことはないが、ただ直線コースを走るより、見ていてドキドキする。

皆の希望をのせて、夢をのせて、ドリームアライアンスの奇跡を生み出す力に感動した。
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