劇場の予告CMでは全く分からなかった物語。
狼男モノ？とすら思ってしまっていたけれど、まさにデルトロの作家性、描きたい世界が爆発したノワール。
見世物小屋の怪しさや魅力、そこに集まってくるアブない人達…まさにエンタメ界に通じるものもある訳で、そこには禁断の果実もあるよう。
おそらく過去に大きな過ちからくるであろう、自らに強い意志を持って禁酒を強いていたくらいの主人公も、魑魅魍魎が跋扈するいかがわしい世界でその禁断の果実に手を出してしまう。
違う道を歩んできたが結果として近い世界の住人リリス（ケイト・ブランシェット）も、過去に手痛いしっぺ返しを受けギリギリ生き延びた”聖痕”を持つ者。
他人のパンドラの箱を開けてしまうとロクなことがないのかもしれない。
主人公スタントン、ギリアムの『Dr.パルナサスの鏡』でのヒース・レジャーが演じたトニーを思い出してしまった。
