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ナイトメア・アリーのRAのレビュー・感想・評価

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)
3.5
ギレルモ・デル・トロ監督作品。観終わった後「うーん、テーマは何だったのだろ」と考えてしまって記録放置していたのだけど、最近分かりやすいメッセージがある作品とかどエンタメばかり見ていて考えすぎたかも。。。反省。いろんな作品観たいですね。

舞台はWWⅡ前夜、世界恐慌期のアメリカ。家を捨てバスに乗ったスタンは、終点の街でカーニバルの一座に出会う。一座で働き始めたスタンは、魅力的な容貌と巧みな話術を武器に、ショーマンとして才能を開花させていく。

不気味な見世物小屋の美術が、映画美術好きには堪りません!前半(カーニバル篇)は夜いつも雨だったのもちゃんと意図があるんだろうな。全然わからないな。ウィレム・デフォーがウィレム・デフォーしてたのも良かった。

ホラー感のある前半に対して後半はスリラーらしく、色彩も少なめ。無機質な博士の部屋や雪の庭なんかはなかなか視覚的に怖くて良かったです。ケイト・ブランシェットのスタイルが異常でした。


以下、ネタバレ含みます。


どんな作品だったのかと言うと、一人の男の宿命を描いた作品、というのが一応出した答えです。
ラジオ、絶対に飲まなかった酒、父親の時計、とひとつ手放すごとに宿命に近づいていく。嫌悪した父親に重なっていく。丁寧に描写された文芸作品みたいだなとちょっと思いました。
ひとつ残念なところを挙げると、オチがなかなか早い段階で分かってしまったこと。
とはいえ、ラストがわかっている上でどうやってそこに向かっていくのかドキドキしたので、観客がオチに気付くこと前提の転落スリラーだったのかも知れない。

スタンが宿命を受け入れて笑うのが良い。
もう一度見たい作品です。
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