ぬまつ

情婦のぬまつのレビュー・感想・評価

情婦(1957年製作の映画)
5.0
なんとも素晴らしい昔の名作に出会ってしまいました。

オープニングからテンポのいいコミカルな会話劇が繰り広げられていき、中盤から終盤にかけて二転三転どんでん返しの繰り返し、最後の終わり方に、ネタバレしないでくださいの注釈。
こんな生き生きとした濃密な映画がこんな昔に作られていたんだと感心しました。

錠剤を並べる暇つぶしで、時間経過を視聴者に間接的に伝える演出とか、そういう細かいところも突き詰めていったらとことん面白い。

あれだけ否定し続けていた看護師が、最後見抜いたブランデーをウィルフリッドに渡すのとか、この2人いいコンビなんだなという微笑ましいラスト。
カツラを差し出して笑顔、水筒を差し出して笑顔、このほんの数秒の間に2回あるウィルフリッドの笑顔が、なんとも気持ちのいい終わり方で大好きだわ。
描かれていないこの後の展開を楽しく、きっと大成功するんだなと思わせるワクワクする感じがすごくよかった。
この弁護士、絶対最後健康を害して死んでいくんだろうなと思っていたけど安直すぎました笑

この看護師ってよく考えたらこの二転三転の展開上ではストーリーには全然影響を与えていなくて、そもそも彼女がいなくても普通に成立するような内容なのに、それでもこの存在感。ウィルフリッドの良さを際立たせてくれる最も必要不可欠な脇役でした。
容疑者側との騙し合いと、特典映像的な存在で看護師との騙し合いも並行して楽しめる。お腹いっぱいです。

Blu-ray出てくれよ!
ぬまつ

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