松竹100周年記念映画ということで原作ストーリーを大幅に変更。
菅田将暉演じる主人公ゴウはいつかメガホンをとる夢を熱く語る助監督。今で言うAD、海岸ロケで「沈む太陽を止めてこい！」とムチャぶりされても必死で現場に食らいついています。
昭和の名監督の佇まいや当時の撮影風景を忠実に再現したシーンが見どころで面白い。特に北川景子演じるスター女優は、往年の香川京子や原節子を彷彿とさせて感心しました。
またゴウの親友で映写技師のテラシン役、野田洋次郎も良かった！☺️ 成長して小林稔侍さんになるのも違和感がない。また見たいなと思います。
リリー·フランキーが演じる監督のモデルは、清水宏さん。「俳優は演技しようと思うな」「セリフなんてどうでもいい、この風景を撮りたいんだ」など、ほんとの話だそうです。清水宏作品観たことないので見てみたくなりました。小津監督の東京物語もオマージュでリスペクト。
過去の回想ストーリー部分は「鎌田行進曲」とか「カメラを止めるな!」とかに共通する「映画を愛する者による、映画を愛する者のための、映画愛を伝える作品」という趣。
ギャンブルで借金を重ねる困った親父は当て書きされていた志村けんがコロナで急逝。志村けんさんがやったならどこか憎めないすっとぼけた味になっただろうところが沢田研二になり、「自分の才能を信じきれず、自己肯定感が低いあまりに闇落ちしたダメ男の再生物語」的シリアスに振れた感じです。結局は家族の絆、家族愛に収束し、よくも悪くもいかにも山田洋次の松竹映画。
ゴウの脚本「キネマの神様」のストーリーが丸パクりという指摘があります。自分も途中まで、これ「カイロの紫のバラじゃん？」と思ってたのですが、現代のゴウが孫に「このアイデアは元ネタのキートンの映画がある」と言ってて
なるほど、ウディ・アレンのがそもそもパクりだったんか、と初めて知りました。
勉強になりました。
