リラリオ

コレクティブ 国家の嘘のリラリオのレビュー・感想・評価

コレクティブ 国家の嘘(2019年製作の映画)
4.4
2015年10月、ルーマニア・ブカレストのライブハウス“コレクティブ”で火災が発生する。
実際の火災の映像→メタルバンド「汚い腐敗をぶちのめせぇ!」と大熱唱→1曲目終わる→花火バーン!→盛り上がる→「あれ?おかしいぞ!」ザワザワ→天井に火が!→「演出ちゃうわ!消化器!」メタル野郎焦る→会場大パニック!
ライブハウスはあっという間に炎と煙に包まれ、若者27名が死亡、180名の負傷者を出す大惨事となった。
そして火災後4ヶ月間で一命を取り留めたはずの入院患者37名がなぜか死亡する。政府は「ヨーロッパ基準で最高の医療を行っている。対応に落ち度はなく、最善の医療を提供した」と発表。

スポーツ紙「ガゼタ・スポルトゥリロル」は、このことを不審に思い調査を始め、やがて内部告発者の情報提供によりとんでもねぇ事実に辿り着く!

熱傷治療の設備が充分でない病院→その場しのぎで治療→患者、細菌感染→患者死亡→国はこれを隠蔽。
てか…消毒液、粗悪なんじゃね?→独自調査→ルーマニアの製薬会社が病院に納めている消毒液、実は薄められていた!→大スクープ!!「10倍に薄められた消毒液!!」→生物兵器のような消毒液が使用されたと大騒ぎ→保健省が調査開始→調査結果「殺菌作用の有効性、95%以上で基準をクリアしておりました!」

虚偽報道扱い→許可されていない施設の検査結果は証拠として認めらず…過失の証拠なし。途方に暮れるガゼタ紙の記者たち→また内部告発→「薄めた消毒液、SRI(ルーマニア情報庁)は報告を受け、すでに把握していた!」製薬会社、政府、病院の癒着が発覚!!

デモ…「真実を追い続けるジャーナリスト、マジリスペクト!スポーツ新聞史上最高の調査報道!腐敗許さねぇ!辞任しろ!」市民を味方につける。

SRI、院内感染の報告書を115回提出したと認める→首相、保健省大臣辞任→警察、工場の捜査→製薬会社社長の賄賂に使う闇資金口座→保健省「表示された消毒液の濃度と軽量値に食い違いあり…表示12%ですが実際は1.23%でした!」→製薬会社社長、自殺→遺体の損傷が激しく「マフィアに殺されたんじゃね?」噂流れる。

女性医師の告発→ウジの湧いた熱傷患者の映像を公開→オーストリア帰りの若き新保健省大臣も呆れるほどひでぇ状況→病院も医師もなぜここまで堕落した?→治療が必要な人たちのための基金を創設&専門病院を立て直すと約束をする保健省大臣。
芯まで腐敗した大病院。パワハラ、横領…問題だらけ。

頑張る保健省大臣→肺移植スキャンダルに巻き込まれる→あらぬ嫌疑をかけられる→圧力、攻撃をうける大臣→「この国は腐敗だらけ…医療制度はお粗末。今度の選挙、想像すると怖いわ…」嘆く大臣。

そして、ルーマニアで選挙が行われる。大臣の予想は見事的中。若者の投票率が低く、じじばば票で社会民主党が圧勝。全て逆戻り…。大臣父「希望の欠片もない、もう逃げてもいいぞ!この国はあと30年は目覚めやしない!」大臣「私のしたことは…少しは残るのかな…」
ガゼタ紙の記者は、マフィアの巣窟に足を踏み入れてしまい、諜報機関から警告を受ける…。

闇深っ…金、金、金…恐ろしやです。
不正を正そうとしたが…結局こうなるのか…。なんだかな…。保健省大臣頑張ってたのに…。根まで腐っちまってるからどうにもなんねぇな…。
製薬会社社長もマジで殺されたのかも…。
あのメタルバンドは、バカだろ!!あんな狭い空間で火使ったら、そりゃそうなるだろ!「汚い腐敗をぶちのめせ!」…逆にぶちのめされてますやん…。
ライブハウス火災からまさかの医療汚職事件へ。国家の闇、衝撃のドキュメンタリー映画でした。
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