一夢

ビバリウムの一夢のレビュー・感想・評価

ビバリウム(2019年製作の映画)
4.1
夢のマイホーム購入や、第一子を設けようと計画しているカップル・夫婦にぜひ観て頂きたい作品。いや、マジで。冒頭にカッコウの雛鳥が他の雛たちを蹴落とし、自分より小さな親鳥から餌を貰っているシーンから、もう心は嫌な気分でいっぱい。途中で流れる車内BGMのスカくらいしか救いがない…。

マイホームの見学のため不動産屋に訪れたジェマとトムのカップルは、何だか様子がおかしいセールスマンのマーティンに連れられて分譲住宅地に向かうが、そこから決して出ることができず、得体の知れない赤ん坊を半強制的に育てさせられる…というストーリー。

これだけ見ると単純な脱出不可ループ系ホラーに感じるかもしれないが、マイホーム、子育て、夫婦分業など、男女が共に生活する上で発生するイベントを、尋常じゃない悪意のメタファーを込めて描き切っているのがお見事。
もちろん単なる皮肉で、「これが全てではないが、こういう側面もあるんやで」ということを強調しているだけとは思うのだが…監督は絶対(良い意味で)性格悪い。

冒頭にも書いたけれど、ぜひカップルや夫婦で肩を合わせて鑑賞してほしい。
一夢

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