ヒノモト

宇宙でいちばんあかるい屋根のヒノモトのレビュー・感想・評価

4.1
映画「新聞記者」の藤井道人監督の最新作を観てきました。
 
観終わった率直な感想は?
 
物語が完成されすぎていて、ケチの付けようがありませんでした。
星ばあ役の桃井かおりさんのカメレオン女優っぷりに圧倒されました。
 
主人公のつばめと星ばあとのシーンは大変多く、前半は星ばあのバイタリティあふれる行動力と魔法のような力に圧倒され気味なつばめですが、仲が深まっていくに従って、自らの居場所の無さを満たしてくれる星ばあの存在は、つばめの中で大きくなっていき、つばめ自身の行動の糧となっていく。
 
誰もが抱える思春期の心の揺れのようなものをしっかり捉えた、自分から相手へ大きな愛の気付きの物語でした。
 
ほとんど悪い人が出てこなくて、物語の波風はあるものの、素敵な役者さんたちばかりで、ラストまで、ずっと心洗われるようでした。
 
伏線回収されなかった場面もパンフレットには種明かしされていましたが、裏設定が大量にあるみたいで、踏まえた上でもう一度観てみたくなりました。
 
最後に、エンドロールでのCoccoさんプロデュースによる清原果耶さんの歌う主題歌「今とあの頃の僕ら」が聞き惚れてしまいました。
 
最後まで清々しい気分になる、素敵な作品でした。
ヒノモト

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