ナツミオ

グッバイ、レーニン!のナツミオのレビュー・感想・評価

グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)
3.8
WOWOW録画鑑賞
【あなたの映画館】
視聴者リクエスト作品。

“ベルリンの壁の崩壊なんて、実はなかった……?”

本国ドイツで公開当時までの歴代興行記録を塗り替える大ヒットを飛ばし、ドイツ映画賞で9部門を独占したポリティカル・コメディ・ドラマ。

第53回ベルリン国際映画祭
最優秀ヨーロッパ映画賞(「嘆きの天使賞」)受賞
ほかドイツ内外の様々な映画賞を受賞。

原題 『Good bye, Lenin!』

2003年独作品121分
監督・脚本 ヴォルフガング・ベッカー
製作 シュテファン・アルント
脚本 ベルント・リヒテンベルグ
音楽 ヤン・ティルセン
撮影 マルティン・ククラ
出演 ダニエル・ブリュール カトリーン・ザース マリア・シモン チュルパン・ハマートヴァ フロリアン・ルーカス
アレクサンダー・ベイヤー ブルクハルト・クラウスナー 

翻訳者 石田泰子

(WOWOW番組内容より)
東ベルリン。青年アレックス(ブリュール)の父親(クラウスナー)は単身、西側に亡命し、愛国者の母親クリスティアーネ(ザース)は西側を憎んでいたが、心臓発作で倒れて昏睡状態に陥る。
その間に世界は急に変化し、1989年11月にベルリンの壁が崩壊すると、資本主義の波が東ドイツに押し寄せる。8ヶ月後の翌年6月、アレックスの母親は奇跡的に意識を取り戻すが、東ドイツの現状を知ったら病状が悪くなると懸念したアレックスたち家族は、母親の前で社会主義体制が変わっていないよう振る舞うが……。

(WOWOW解説より)
1989年にベルリンの壁が崩壊し、翌年10月の東西ドイツ統一に向けて、東ドイツから社会主義体制は急速に消滅していった。そんな東ドイツの東ベルリンで暮らしていた家族の物語で、昏睡状態から目覚めた母親が、急変した東ドイツの現状を知ってショックを受けないよう、息子らが悪戦苦闘する姿をユーモラスに描いたのが本作。

本国では多くの注目を集め、観客動員が600万人を突破するという大ヒットを記録。第52~53回のドイツ映画賞では作品賞・監督賞・主演男優賞など、9部門で受賞した。
また第53回ベルリン国際映画祭の最優秀ヨーロッパ映画賞(「嘆きの天使賞」)ほかドイツ内外の様々な映画賞を受賞した。

監督・脚本は、これが長編第2作目となるヴォルフガング・ベッカー。
音楽は「アメリ」のヤン・ティルセン。
エンドロールの音楽がアメリっぽい。
出演はドイツ本国で活躍するダニエル・ブリュール。
結構この俳優さんの作品を観てた!
横顔が若い頃のトム・クルーズに激似⁈

『イングロリアス・バスターズ』(2008)
”Inglourious Basterds“
フレデリック・ツォラー 役!

『コッホ先生と僕らの革命』(2011)
“Der ganz große Traum”
コンラート・コッホ役

『ラッシュ/プライドと友情』(2013)
”Rush“
ニキ・ラウダ役!
他にも
『誰よりも狙われた男』(2014)
『ヒトラーへの285枚の葉書』(2016)
『ユダヤ人を救った動物園 〜アントニーナが愛した命〜』(2017)
結構、有名な俳優さんでしたネ

母親への嘘がいつバレるのか?
次に心臓発作が起きれば命に関わると医者に言明され、ベルリンの壁崩壊、ドイツ統一で旧東ドイツぎ消滅した事実を隠す息子、娘家族たち。
偽のニュース番組を作るなど手が混んでいるが、外の世界は急激に変化していき……。


【印象のシーン】
・西側資本主義の象徴の様な”コカ・コーラ“の広告が印象的。

・西側から流入する物質文化。
BMWの車、バーガーキング、カラフルなファッション、音楽、クラブ…

・母クリスティアーネ(カトリーン・ザース)が1人散歩に出かけ外の世界に触れるシーン。
そして、ヘリで吊るされ運ばれるレーニン像を目撃‼️
レーニンが彼女を見つめている様なカット、そして別れの挨拶をしている様にも。
まさに”グッバイ、レーニン!”
本作のハイライト‼️

・父親の亡命の意外な真相も⁈

“心臓発作”
ドイツ国内では、東西ドイツ統一そのものは肯定的に捉えられているが、統一を急ぎすぎたことにより生じた東西の経済格差や雇用格差などが社会問題となっている。
本作品の「急激な西側文化の流入が心臓発作を引き起こす」という設定は、統一に対する社会的評価が投影されたものである。
(Wikipediaより)

半世紀にわたり東西冷戦の象徴でもあった
 ”ベルリンの壁“
このベルリンの壁崩壊から東西ドイツ統一を背景に、ある家族の騒動を描いたコメディを楽しめた。
歴史を辿りながら、市民の生活が急激に変化する様は、日本でも明治維新や敗戦後の民主主義への転換という歴史に翻弄される人々をコミカルに描いた佳作。



【忘備録】ネタバレあり
(キャスト)Wikipediaより
・アレクサンダー・ケルナー(アレックス) Alex
演 - ダニエル・ブリュール
日本語吹き替え - 内田夕夜
主人公の青年。
幼少時代には宇宙飛行士に憧れ、卒業後は東ドイツでテレビ修理工として働く。1989年10月7日の夜に反体制デモに参加しているのを母クリスティアーネに見られ、そのショックで母が昏睡してしまったため罪悪感を抱えながら暮らしている。ベルリンの壁崩壊で国営事業所が解体されたことにより失職してしまうが、運良く衛星放送のサービスを行う会社に再就職する。意識を取り戻した母にショックを与えないために東ドイツが健在であるという偽装を行い、家族や恋人、母の同僚たちにも半ば強制的に「芝居」に付き合わせる。しかし、父の亡命の真相と母の本心を知り「芝居」を辞めることを決意する。

・クリスティアーネ・ケルナー Mutter
演 - カトリーン・ザース
Kathrin Sass
日本語吹き替え - 藤田淑子
アレックスの母。
夫が西ドイツに亡命したことで、心神を喪失してしまう。失語症状態から抜け出した後は社会主義に傾倒し、ピオネールでの教育活動や婦人の生活改善運動を積極的に行なっている。反体制デモにアレックスが参加しているのを偶然見てしまい、ショックのあまり心臓発作を起こして昏睡してしまう。8ヶ月後に意識を取り戻すが記憶を断片的に失っており、8ヶ月の間に何があったが知らされないまま、アレックスの勧めで自宅で療養生活を送り始める。折に触れて西側諸国から流入した文化や商品を見て疑問に思うも、アレックスの偽装により東ドイツの健在を信じている。実は夫とともに亡命することを考えていたが、あまりの恐ろしさと子供たちのことを思い、東ドイツに残ったことを告白する。夏が終わる頃に再び入院するが、意識を取り戻し夫ローベルトと再会を果たす。本当はララからドイツで起こった全てを伝えられるが、アレックスの前では気づいていないフリをしたまま、ドイツ再統一から3日後に息を引き取る。

・ララ Lara
演 - チュルパン・ハマートヴァ
日本語吹き替え - 甲斐田裕子
ソ連からのロシア人交換留学看護学生。
反体制デモでアレックスと知り合い、その後病院でクリスティアーネの担当看護婦となり、アレックスと再会する。アレックスの積極的なアプローチで晴れて恋人同士となる。母思いのアレックスに協力するが内心では事実の隠蔽を快く思っておらず、時折アレックスと衝突するも彼を支え続ける。クリスティアーネが再度入院した際、アレックスには内緒でドイツに起こったことを全て彼女に告げる。

・アリアーネ・ケルナー Ariane
演 - マリア・シモン
日本語吹き替え - 藤貴子
アレックスの姉。
学生結婚の末離婚したシングルマザー。大学で経済学を学んでいたが、ベルリンの壁崩壊後に中退してバーガーキングに勤務、そこで知り合ったライナーと付き合い始める。母のため当初は渋々ながらアレックスに協力していたが、度重なる偽装行動や東ドイツ時代の垢ぬけない生活に苛立ちを隠せなくなっていく。のちに職場と病院で父と再会するが、作中では会話していない。ライナーとの間に出来た2人目の子供を妊娠する。

・デニス・ドマシュケ Denis
演 - フロリアン・ルーカス
日本語吹き替え - 高木渉
アレックスの再就職した衛星放送サービス会社の同僚で西ドイツ出身の青年。
「明日のキューブリック」を目指す映画マニアで、自主制作映画を作っている。親友となったアレックスを助けるために持っていた東ドイツのニュース番組の録画テープを基に偽のニュース映像を作成。自ら付け髭を生やしてアナウンサーとして登場している。

・ライナー Rainer
演 - アレクサンダー・ベイヤー
日本語吹き替え - 高瀬右光
アリアーネの新しい恋人。
アリアーネの就職したバーガーキングのマネージャーでインド文化オタク。少し間の抜けたところはあるが愛嬌のある青年。アレックスの無茶な試みに渋々協力させられてトラバントの新車を購入する。

・ローベルト・ケルナー Alex's Vater
演 - ブルクハルト・クラウスナー
日本語吹き替え - 遠藤純一
アレックスの父で医師。
愛人にそそのかされて西ドイツに亡命したとアレックスは聞かされていたが、実は家族全員で亡命する計画で先に東ドイツを出るも、クリスティアーネがリスクを恐れて残ったため離れ離れとなってしまう。何通も手紙を送り3年も家族が来ることを待っていたが待ちきれず西ドイツで再婚し、庭付きの豪邸で妻と2人の子供に囲まれて生活している。自宅を訪ねてきたアレックスから事情を聞き、入院中のクリスティアーネと再会する。

・ジークムント・イェーン
演 - シュテファン・ヴァルツ
東ドイツ空軍の軍人にして東西ドイツ両国で初の宇宙飛行士。
アレックスにとっての英雄的存在。作中ではベルリンの壁崩壊後にタクシーの運転手になっており、偶然アレックスを乗せる。アレックスの最後の偽装ニュースに出演し、統一されたドイツの新たなトップとして演説する。
なお、イェーンは実在の人物だが、史実では東西ドイツ統一の前日まで東ドイツ空軍の将官として勤務しており(最終階級は少将)、退役後はドイツ航空宇宙センターのコンサルタントとなっている。日本公開時の字幕では「S・イェーン」と表記されており、DVD版の吹替えやノヴェライズ版では「ジクムント」と発音あるいは表記されている。

・Klapprath
演 - ミヒャエル・グヴィスデク
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