A8

グッバイ、レーニン!のA8のレビュー・感想・評価

グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)
3.7
ベルリンの壁崩壊、東西統一された東ドイツに住む主人公が母を想うためについた壮大で優しい“嘘”、、。

次、ショックを受けたら心臓が持ちません、そう医師に言われた主人公。
母は、東西統一される前の東ドイツで熱心な社会主義運動をしていた。だが、ある日主人公がドイツ統一デモに参加中拘束される場面に母がでくわしそのショックで8ヶ月間も昏睡状態に。
その間に時代は目が回るほど変わり、社会主義失敗の結果としてベルリンの壁が崩壊した。
それを知ったらショックで、、。
息子の優しい“嘘”が始まる。
東ドイツがまだ存在しているという、、。
そして、“母の中での”実際の歴史を書き換えることとなる。

設定が斬新で面白く、母を想うために東ドイツを復活させようと奮闘する姿に
何をやるにしても自分の強い芯に沿って、自分が覚悟を持ったモノをやる遂げることはかっこいい。

ドイツが統一され全てがハッピーではなく、
いままで信じてきたモノが間違いでした東ドイツはなくなります。といわれた多くの者の特に年配層の悲痛な心持ち、そして急に変わった新しい時代への戸惑いのようなモノがリアルに映し出されているようだった。

個人的な見解だが、表情や看護師とのやりとりからおそらく、母はドイツ統一のことを知っていたのだろう。もちろん、息子の優しさも。親子の愛が優しい嘘に包まれた時、そこは朗らかな幸せがあった。

嘘も時には幸運や幸せを呼ぶのだろう、、悪意ではなく優しさで包まれた嘘は。
グッバイレーニン!
A8

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