Aya

逃げた女のAyaのレビュー・感想・評価

逃げた女(2019年製作の映画)
3.3
#twcn

久々のホン・サンス作品です。
2016年頃から見なくなりましたかね・・・不倫スキャンダルで。

386世代ど真ん中ですが少し遅咲きの印象。そこからの創作ペースは早い。

まあ、あの、日本人好きですよね本・サンス・・・フランスでも人気あるんですよ。
似てるよね両国。

昨年のベルリンでは今作で監督賞。
そして今年は”인트로덕션(イントロダクション)”にて脚本賞。

隣にはもちろんキム・ミニ。
凄くない?まだ離婚成立してないから、キム・ミニはあくまでも愛人なのに正式にプラス・ワンとして同席してるのもうメディアも突っ込まないw

そして本作も主演はキム・ミニ。
原題同じです。

キム・ミニ演じる花屋の店主は夫の出張中を利用して昔馴染みの3人の女性を訪ねる。

この映画、みんなスッピンですよね?!

肉とマッコリを持って訪れたのはホン・サンス常連のソ・ヨンファ(このヨンファという名前は韓国語で映画という意味の영화と同じ字)。

田舎町で畑を耕す隠居生活。
一戸建てにルームメイトと住んでいる優しいお姉さん。
普段は酒を飲まないが久々に遊びにきてくれたキム・ミニを迎え3人で肉と酒を楽しみながら彼女を泊めてあげたり、隣の家の娘さんに声をかけたり優しい人。

この時の隣の家のエピソードがおもしろいんですけど、鶏飼ってて朝、雄鶏がうるせえとかはいいんですけど、なんか娘さんが荒れてるらしくて原因は「お母さんが娘を置いて出て行った」んですって。

それホン・サンスが描くとギャグよねw

次に訪れたのは、田舎というには住みやすくお洒落な家に住むファッショナブルなプラティスインストラクターのソン・ソンミ。

「木浦は港だ」が一番覚えてるわw
ブランド服を手土産に訪れたこちらのお姉さんはかなりお金に余裕がある様子で窓から見える山をキム・ミニは何度も褒める。

近くの飲み屋で文化人と交流し、上の階に住む既婚の小説家との関係を期待している。

先ほどのお姉さんとは違い、なぜかこちらのパイセンにはタメ語のキム・ミニ。親しさが窺える。

そして最後に訪れたのは「はちどり」「ひと夏のファンタジア」でお馴染みのキム・セビョク氏。

彼女とは・・・少し距離がある様子で自宅ではなく職場である文化施設emuアートスペース。

こちらはギャラリー、演劇場、映画館にレストラン等が集まった施設。
光化門の近くでしたっけ?

カフェでコーヒーを飲んでいるところへキム・セビョク氏が現れる。この2人は同年代で男関係でなにやらあったっぽい微妙な距離感で会話もぎこちない。

彼女のススメで映画を見ていくキム・ミニ。
この劇場小さくてほんといいですね!
映画を見た後は少しスッキリしたようにセビョク氏と語り合いリンゴを摘みながら笑い合う。

面白いのはこの映画結構フルーツ食べるシーンがあるんですけど、みんな「剥くの下手」なんですよねw
自称ってだけで別に綺麗に剥けてると思うのですが。

遠くからワンカットで撮っている画をいきなり被写体にグッと寄るちょっとよくわからないカメラワーク。
コレホン・サンス最近よくやってんの?

橋口亮輔監督の「恋人たち」を思い出しました。

ホン・サンスらしい、どの人物の真意も掴ませないつくり。

どの登場人物も過去に傷を負っており、どの登場人物も他人に迷惑をかけない。

しかし微妙な距離感の人となぜか絡みたがるものの、その微妙な距離感を縮めたり離れたりはしない。

しかしタイトルは「逃げた女」。
つまり・・・。


あ、で不倫の話に戻るんですけど、当時は大スキャンダルになったにも関わらず悪びれる様子もなく隠すこともせず、まあいけしゃあしゃあと主演女優に恋人を起用してる姿がちょっとありえない、と思いましたね。

しかもあの!キム・ミニですよ?!
イ・ジョンジェ、イ・スヒョク、チョ・インソンと数々の男性芸能人を浮名を流した!

なんか2人とも普通にメディアに出てきたりして当時の韓国ではバッシングが強くて私もそれに飲まれてました。
知ってか知らずか日本ではホン・サンス映画祭が開かれたり、本国との錯誤感にも辟易していましたね。

しかしこのお話、もう6年目。
この6年間の動きを見ているとホン・サンス側と妻側とで証言がかなり食い違っているのでなんとも言えない気分になってます。

個人的にはもう6年も離婚して!って言ってるのに全くしてくれないのも・・・って感じになってきましたw


日本語字幕:
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