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逃げた女のmayaのレビュー・感想・評価

逃げた女(2019年製作の映画)
3.4
間違いなく「女の映画」で、100%女の視点から撮られているので(男性監督なのにすごいね)私の目からは「日常」がそのまま展開されている印象だった。平凡にみえるけど、映画はそもそも今でも「女性の視線で自然に撮られた女性の映画」が(女性監督だったとしても)とても少ないので、本作ほど自然な眼差しで作られた「女の映画」は珍しいと思う。
人と会うのは、言わなくていいことや言いたくないことまで話してしまうからうんざり、というセリフに「わかる、、」となったけど、主人公はとにかく5日間で自分にとって重要な人達に会いにいってるし、「同じ話を何度もする人は本心じゃない、そんな生き方後悔する」という言葉は、主人公が旦那との関係性を語るときに必ず同じ話を繰り返しているのと合致する。女優がキムミニなことも相まって、「共感をさそう」だけではない謎と緊張感が終盤に向けて濃くなっていく。彼女の夫に対する愛が、女たちの生き方を見て疑念に変わっていったのか、それとももともと疑念はあったのかで言うと、後者じゃないかな、、。
各々のパートに挟まる男と女の会話に「女が男に違和感を覚える瞬間」や、「男が女との間に問題を抱えた時に取る態度」が感じ取られて苦しくなった。
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