みんと

ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男 ピエール・カルダンのみんとのレビュー・感想・評価

4.3
特別ピエール・カルダンに思い入れがある訳じゃないけど、面白かった~!観てよかった。

一流が一流であり、また あり続けるってこう言う事なんだとストンと心に落ちた。

確たる意志とブレない信念、先見の明、ビジネスの才能、でも1番は人間力、人としての魅力じゃないかな。どんなジャンルにも共通する肝の部分なのだと改めて感じる。

沢山の名言が登場する。イケメン俳優に引けを取らないルックスで見据えるのは常に人より先の景色。宇宙から来た人とも例えられてた通り、まさに宇宙規模で考えられる人だった。

偉大なデザイナーは深みのある人々で重大な責任を負っている
ファッションは変えるためにある
デザイナーに要求されるのは丹念にドレスを作る事ではない
世の中を変えることだ
服の構造 布地 シルエットによって…

言葉通り国境を越えて活動した。更には自身が戦争により叶わなかった演劇の道は、芸術活動の支援と言うカタチで実現させた。将来有望な作家や役者の為に劇場を買い取ったのだ。

中でもジャンヌ・モローとのエピソードは興味深かったなあ。

沢山の映画衣装を手がける中での彼女との出会い。かの『天使の入江』の衣装は役柄にもピッタリで大成功だった。
ココ・シャネルがジャンヌを紹介し彼女のアプローチで恋に落ちたと言うふたり。
ジャンヌを芸術アカデミー会員に迎えた際、カルダンの演説に恥じらいをみせたジャンヌの姿がとても自然で可愛らしかった。
ふたりのエピソード自体、映画よりも映画的だけど、ツーショットの画達はどれも映画のワンシーンみたいで素敵だった。

また、大きくクローズアップされなかったもののアンドレとの同性愛のエピソードも興味深かった。カルダンの活躍を公私で支えた人達の存在と彼らへの感謝も言葉の端々に感じられる。


飽くまでも現役を貫き通したデザイナー、ピエール・カルダン。その生き様に深い感銘を受ける作品だった。



“ 押し付けはしない。提供するだけだ。“
みんと

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