バリカタ

アーニャは、きっと来るのバリカタのレビュー・感想・評価

アーニャは、きっと来る(2020年製作の映画)
3.3
国境に住む人々が、ナチスの弾圧からユダヤ人を逃がす手伝いをしていた事実が元となっている物語。
最近ハードな映画を見過ぎだったのか?本作品の優しい語り口と素晴らしい自然美の映像にホッコリ。

とにかく、自然の山々の風景綺麗すぎます。一年を通して。
ドイツ兵だって人間。全員がヒトラーではないし、悩みながら戦っていた兵士はいるでしょう。
殺しあってる人間が、憎み合い、いがみ合う人間がチッポケ過ぎる、大きく、逞しく、激しく、豊かな自然の中では。。。けど、、、
熊に襲われるエピソード。
「(子供を守る)母熊も(家族を守る)村人もやるべきことをやった」
と言うセリフはなくならない戦争をイメージさせるし、また、この地球上(人間が居る自然界)では仕方ないってこと言いたいのかな?熊が何かの比喩的に使われてるっぽいんだよなー。

作品としては最初から緊迫感あり。
アーニャが主役とおもいきや、違った(笑)
でも、アーニャは平穏の象徴として描かれたから作品テーマから考えれば主役かな?

戦争とは無縁の村が徐々にキナ臭くなっていく様、武力に支配されなければならなくなっていく様は、きっとこうだったんだろうと思える程。作品内には魅力的な人物が多数出てきますが、もうちょい、人間模様描いてもよかったかな?
事実を知ると問題収束しちゃうとか、
あんなに隠してたのに、クライマックス安易じゃない?とか。

けど。リアリティ持たせすぎないようにしたのかな?
家族で見る、史実を知る映画としては良作ではないでしょうか?

アーニャはきっと来る。
なるほど、よくできた題名です。二つの意味が含まれてると思います。
民達の祈りと逃亡支援者の願い。
この題名からもこの作品は様々な裏メッセージがあるのかな?