アキ

スパイラル:ソウ オールリセットのアキのレビュー・感想・評価

3.0
え〜っと…です…ね…まずもって犯人とジグソウの関係性がよくわかんない。よくわかんないまま突き進むから、この犯人がなぜそこまでしてジグソウの犯行を模倣するのかが不明。あれだけの細工を施したマシンを作るのだから、それなりにジグソウに傾倒、どころか宗教の教祖なみに妄信してないと一筋縄ではゆかない細工を施すモチベは生まれんだろう。

ラストもようわからん。要するに犯人が〇と〇をハメたった的な閉じ方ではあるのだが、多分に運の要素がデカくねぇか。例えば犯人と〇とがモミあってる時間が割と罠のキモなわけだが、そこで〇が罠に気付いて、扉の前にたって、扉の向かいに来たらしき〇〇達へ心からの大なるヘルプを叫ぶことで悲惨な結末を回避することができた可能性もあろうさ。その辺の力技に監督の力量のなさが伺えるわけ。

ちなみにソウと言えば終幕間際にかかるあのBGMがウリでもあり、シリーズは全て鑑賞していて、そのシリーズを重ねるごとに惨憺たる仕上がりになっていく中でもあの煽動的なBGMだけはジャストタイミングで劇中に流れて、クールで、サブイボが立つほどには良き塩梅式なんだが、此作にあっては全然ダメ。そのタイミングであえてあのBGMを流すまでにはこちらの熱は未だ盛り上がってないし、例えばSAW1ではジグソウが「げーむおーばー」言うて扉を閉めた時に鎖につながれた〇が大口あけての絶望の叫びであった一方、此作においても〇が大きな叫びを上げるは同種、のち暗転終幕なんだが、その叫びに絶望感が全く感じられないから、骨の髄まで迫ってくるものがない。言ってみればただBGMが流れて、ただ〇が叫び声をあげて、ただ犯人が不敵な笑みを浮かべて…つまりは描写描写の歯車が全くかみ合ってないんよ。あらゆるピースがガタガタで、言って見れば付き合って1日で男が彼女に衆人環視の中でのサプライズモブを仕掛ける鈍感さ。自己満足。ゆえに失敗。女激オコで男は立つ瀬なし。空気よめ。とりわけラストの暴走はそんな塩梅式で、創り手はもっと観る者のテンションを探ったうえ繰り出すツールは選択したほうがいい。煽動的な音も映像もタイミングや歯車がかちあってなければそれは単なるゴミ屑にしかならない点はあらかじめご承知おきいただきたいところではある。

*他にもいろいろあるけど、例えば警察署の地下室である警官が犯人に屠られてしまうわけだが、その例の如くの殺人マシンはどうやってそこへ運び込んだの?
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