Sachika

水を抱く女のSachikaのレビュー・感想・評価

水を抱く女(2020年製作の映画)
3.7
「私を捨てたら殺すわ」
その言葉が呪いの様に耳に残る。

水の精霊の名を持つ彼女の愛は激しく、時に幻想の中を彷徨う様な、危うさの上に成り立つ。
例え時代は変わろうとも、愛は普遍的で、その真実を見誤ってはいけない。
切ない愛の美しさと、ミステリアスな雰囲気に引き込まれる一本。

真実の愛に気づく難しさ。
誰もが愛し、愛し合う、純粋な愛を見つけられたらいいのに。
心の声に惑わされ、時にその選択を間違える。
その時失うのは自分自身か、それとも愛した人か。
流れるバッハの旋律が、より切なさを誘う。
ウンディーネという水の精霊の神話を、現代に置き換えた悲しい愛の物語。
Sachika

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