たく

水を抱く女のたくのレビュー・感想・評価

水を抱く女(2020年製作の映画)
3.5
運命的な男女の出会いに水の精霊の話を重ねてて、いろいろと不思議な展開は古くから語り継がれてるウンディーネの物語の基本を知らないと分からないね。

ウンディーネが恋人ヨハネスと気まずく対面してるシーンに始まり、二人の破局からウンディーネとクリストフとの運命的な出会いへと至る。ここで彼女が水槽の中に飾られてる潜水士の置物を目にしてそれが潜水作業員のクリストフにつながった瞬間、水槽が割れて二人が水浸しになるのが後の展開を暗示してる。

愛し合う二人の幸せな時間もつかの間、クリストフが潜水作業中の事故で脳死となってからが不思議な展開でモヤモヤする。まずウンディーネがクリストフと電話で話した時間にはすでにクリストフが事故で脳死判定を受けてたというのが謎。前半で出てくる巨大ナマズと終盤のウンディーネの霊(?)が同じ構図で出てくるんだけど、この湖の主であることを象徴してるのかな?あとヨハネスをプールに沈める怖い展開も分からなくて、調べると不倫したパートナーを殺すのが水の精霊ウンディーネが持つ宿命なんだね。これは知らないと意味が分からない。ここから昏睡状態のクリストフがまるでウンディーネの命と引き換えみたく蘇って、行方不明となったウンディーネと湖で再開するラストが詩的だった。

ウンディーネ役のパウラ・ベーアは「婚約者の友人」に出てたんだね。
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