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セイント・フランシスのhuaのレビュー・感想・評価

セイント・フランシス(2019年製作の映画)
3.9
34歳の独身女性と子守を任された6歳の少女、その両親のレズビアンカップルとひと夏の交流を描いた作品。

最初は6歳のフランシスが扱いにく過ぎて、全く可愛いと思えず、子どもと深く関わっていくナニーなんて無理じゃないかと思ったし、雇われたら雇われたで、フランシスに対して結構適当でベビーカーから落としたり池にも落ちたりで、こんな人に大切な子どもを預けていいのだろうかと、とても信用できなかった。

それなのに、自然体の交流を重ね、唯一無二の信頼と愛情で、心を通わせていく2人が次第に愛おしくて仕方なくなった。

フランシスが、大人っぽいおませな発言を遠慮なくする姿がむしろ子どもらしくて可笑しさを誘う。

2人の交流を軸に、タブー視されることの多い、生理、妊娠、中絶、産後うつ等女性の心身に纏わるエピソードを事もなげに軽やかに描き出しているのがスゴい。
意外にも血を見る映画なのである🩸
さらに宗教やらジェンダー、格差意識の問題等も随所に散りばめられ、なかなか盛り沢山。
もちろんそれなりのクズもちょいちょい出てくる。

いろんな生き方があっていい、幸せは人それぞれ。不安になったり、これでいいのかと悩むのは当たり前。それでも皆生きていく。
世の中がもっともっと寛容であってほしいと願わずにはいられない作品だった。

懺悔のシーンは思わず目を細めてしまったし、ラストの2人はなんだか暖かな光に纏われているようなとても印象的なシーンだった。
フランシス、ちゃんと報告してね🩸
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