JUN

タイラー・レイク -命の奪還-のJUNのレビュー・感想・評価

4.0
溺れるのは川に落ちるからじゃない。
そこで沈むからだ。


Netflix歴代1位の再生回数を誇った大作。
クリス・ヘムズワース主演。監督は『アベンジャーズ』でクリス・エヴァンスのスタントをしていたサム・ハーグレイヴ。

配信をずっと楽しみにしていて、配信されて3日くらいで観たのですが、予想よりもずっとずっと良くて、後で感想書こう、と思っていたら一ヶ月経ってました…観終わった後に残る余韻と衝撃、感動が津波のようで、それを形容したり、文章に書き起こすことがすごく野暮な事のように思えて書けなかった、というのもあります。

この映画、スタントのサムが作ったということもあり、とにかく臨場感がものすごいです。CGで作り込む世界観ではなく、カメラも一緒に土埃を被るような、等身大のアクションなのです。カメラワークも秀逸で、カーアクションシーンなどはどうやってカメラ壊さずに撮ったの?というシーンがちらほらあったり、中庭式住居をこれでもかと使ったアクションのワンカットのような構成に、とにかく引き込まれました。
また、役者さんたちがその臨場感に耐え得る演技をしている、ということにも注目です。子役をはじめ、インドの役者さんが多いのですが、皆さん素晴らしいです。(誰目線)

麻薬カルテル、というものは日本に住む私たちからしたらどこか映画の中の存在だったりする。いくつもの映画で観ても、私たちは余程のことがなければ関わりはなくて、本当にまだいるのか、昔の話なんじゃないかとさえ思ってしまう節があります。でも、世界中に存在するスラム街同様、麻薬カルテルや、私たちが想像もできないような恐ろしい人々は絶対に存在していて、それらが日常に在る人々は世界にたくさんいます。
子供が銃を持つことを切望し、躊躇せず人を撃つという事の衝撃は、何度観たって慣れられるものではありませんよね…
こういう映画を観ると、戦争映画でもそうですが、今こうして俯瞰でこういう作品を観ることができるという幸福に気づかされます。

脚本も良くて、臨場感もすごくて、役者さんも良くて、これを映画館で観られないという事が少し悲しいです。
この先サムは映画を作り続けてくれるでしょうか?そうしたら、是非また作品を観たいなと思いました。

ラストの意味、皆さんはどう捉えられたでしょうか?私はやはり……続編は、前日譚であってほしいな、と願う派です。


関係ないのですが、相手の麻薬王の人、インド版道明寺司(松潤)感ありませんか?そう思ったの私だけですか?笑
JUN

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