このレビューはネタバレを含みます
1:映像美:★★★★☆
本作はモノクロ映像で、ユーゴスラビア時代の巨大なモニュメントを捉えた荘厳な映像が特徴的です。これらの建造物が、未来の人類が残した遺跡のように映し出され、時空を超えた幻想的な雰囲気を生み出しています。
2:ナレーション:★★★★☆
物語はティルダ・スウィントンのナレーションによって進行します。彼女が語るのは、未来の人類が滅びの間際にあることを告げるメッセージで、静かでありながらも重厚な語り口が劇中への没入感を高めています。
3:音楽:★★★★☆
本作の監督でもあるヨハン・ヨハンソンは、映画音楽でも高い評価を受けている作曲家です。本作では、彼の最後の作品となる音楽が使われ、ミニマルでありながら壮大なスコアが映像と見事に融合しています。特に、ストリングスや電子音を駆使したサウンドデザインが、劇中の神秘的な雰囲気を一層引き立てています。
4:ストーリー:★★★☆☆
物語は伝統的な物語の構造を持たず、未来の人類から現代へ向けたメッセージのような形で進行します。そのため、哲学的で詩的な雰囲気を持ち、SF作品でありながらも実験的なアートフィルムのような印象を与えます。