Ryoma

マイ・ニューヨーク・ダイアリーのRyomaのレビュー・感想・評価

4.3
ニューヨークを舞台にひとりの女性が出版社の仕事や人との出逢いを通して本当の自分を見つける物語。大都市の喧騒に相反する静寂の中で響くタイピング入力のカチッという音がなんとも心地よくいつまでも聴いていられるほど。主人公ジョーが着こなす衣装の数々もオシャレで製作陣の色彩感覚の高さ、センスの良さを感じたし、ドビュッシーの月の光などのクラシックや90年代オルタナっぽい音など音楽の多彩さに惹かれたし耳あたりがいい曲ばかりで心地よかった。特にmoon riverのアレンジバージョンがよすぎた。所狭しに整然と配架された本の数々がザ•出版社を思わせてくれたり、グレートギャツビー等を手がけたF•スコット•フィッツジェラルドを筆頭に名だたる名作家が会話の中で登場したり、文芸作品ならではの魅力を堪能できる作品だった。電子書籍化が進む現代で紙の書籍ならではの良さを再確認できた気がする。最近小説含めあまり本読めてないから読めたいな。自分のやりたいことを模索しながら恋に仕事にひたむきな主人公ジョーの姿に勇気をもらえる素敵な作品だった。爽やかな終わり方も好き。
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