1990年代、ニューヨークの出版エージェンシーでアシスタントとして働き始めた作家志望の主人公が、電話番と毎日届く作家サリンジャー宛の手紙の処理をしながら、自分自身を見つめ直していく話。
全体的にふんわりと茶色味がかった映像と、主人公ジョアンナのファッションがとても品が良く素敵で好みだった。
しかも全編を通して服が着回されているのも、リアリティがあってよかった。
職場はシガニー・ウィーバー演ずる上司も周りの人も、新人のくせにそこそこ厚かましい主人公にわりと甘く優しい。
かのサリンジャーとも電話で、将来について背中を押されるような言葉をかけられたり、結構無茶な振り方をしたボーイフレンド(達)にも恨まれることなく、任された仕事も上手くいって認められ…
もうちょっとどん底に突き落とされても、負けずに這い上がるとかあってもよかったのではと思うところもあったけど、これが実話というから仕方ないのか。
読んだことのないサリンジャーの小説を、後半ジョアンナが読み漁るシーンがあったが、サリンジャーよりもファンレターに感銘を受けてるようにも思えた。
そして物語のその後が気になった。
私も「ライ麦畑でつかまえて」も読みたくなったが、原作ジョアンナ・ラコフ「サリンジャーと過ごした日々」を読みたい。