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マイ・ニューヨーク・ダイアリーのmendeのレビュー・感想・評価

4.0
<ヒロイン成長物語というより文芸業界物語>
確かに若い女性の主人公(マーガレット・クアリー)の成長物語ではあるんだけど、それより90年代の文芸業界、ニューヨークのムードが楽しい。
なんとなく作家になりたい、文芸業界かっこよさそうくらいの「憧れ」で本当に出版エージェンシーで働くことになった主人公。サリンジャーを読んだこともないのに、サリンジャーへのファンレターによけいな私見を入れて返事をするというよけいなことをしちゃう意識の低さ。
でもそれを含めて成長していく。
『プラダを着た悪魔』みたいに仕事と恋愛が組み合わさってないのがいい。

ニューヨークに出てきてウォルドルフでケーキを食べたり、出版エージェンシーなのでサリンジャーだけでなくブラッドベリやウエストレイクの名前が出てくるのも楽しい。衣装もかわいい。
90年代が舞台だけど、もう30年前。すっかり遠い、懐かしむような時代になっちゃったんだなぁ。職場でパソコンを導入するかどうかでもめてる時代。
主人公のマーガレット・クアリーもいいけど、上司役のシガニー・ウィーバーが適役。彼女の衣装もいい。
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