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ペルシャン・レッスン 戦場の教室のboaaaaatのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

なぜかモンフィーであらすじ聞いて絶対見たいと思ってたやつ。ナチ相手にニセ言語を創作して教えて、嘘がバレたら殺されるから死ぬ気で予習復習するって設定のフックがすごすぎて。

実際見たら設定から感じた突飛さよりは全然シリアス。まあそりゃそうなんだけど。映画はめちゃくちゃおもしろい。
ニセペルシャ語を作って覚える方法がかなり重要で、その実効性はさておきラストのくだりですごいよくできた話じゃんと感じ入る。フィクションに出てくる名前の価値ってたいがい重要。

脱走チャンスで出会う強キャラ風老兵士が再登場しない謎と、死=アックスの覚えの座り良すぎさと、ニセペルシャ語を嬉々として学ぶコッホ大尉の身に覚えのある馬鹿さと、マックスの最後の登場シーンの最悪さ。

中盤に、ある程度単語は教えたのでここからは会話しましょうと主人公が提案する展開にめちゃくちゃ驚いてしまった。会話になる流れはあるだろうけど不可抗力的に始まるかと思ってたら、主人公自ら提案するの意外すぎ。どういう胆力。
唐突だし物語の都合上って気もするけど、会話をジルが自ら提案したっていうのが重要だとも思いたい。しかしジルとコッホは対等ではなくコッホは身の上を語るが、ジルが語ることはない。ジルにとっては今を生き抜くことが全てだし、そもそもが歪でグロい状況下で成り立っている関係。
ちょっと心が通ったように思えるけどおおもとが狂ってるし本当の友情とは違う。コッホはやっぱりその辺がわかってなくてジルだけが理解している。
コッホが2度目にジルをアウシュビッツ行きから逃げさせようした時、ジルはコッホの目を掻い潜り他の収容者の代わりにアウシュビッツに向かおうとするんだけど、ジルはもう全部において限界が来てたように思う。

コッホの描き方もバランスよくて、あいつみたいに入党した人、わりといたのかもなと思える感じだった。かなり身近なダメさなんだけど、タイミングとか時代によっては取り返しのつかないグロいことになっちゃうのかもなーと思う。
ジル役の人が七尾旅人に似ていた。
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