kyoko

砕け散るところを見せてあげるのkyokoのレビュー・感想・評価

3.7
ネタバレになりそうなので、内容には極力触れずに。

映像化は難しいのではと思っていたけれど、解釈が分かれるメタファーについては置いといて、原作の最大の特徴である叙述トリックを含めて、総じてうまく表現できていると思う。中川大志が見事に「ヒーローになりたかった高校生」だったし、石井杏奈の体当たり感は好感が持てたし、この役はどうだろうと思っていた果耶ちゃんも今までにないキャラが意外にはまっていた。

LIFE!で鍛えた間合いで原作とほぼ同じセリフで笑いを取り、会場から思わず悲鳴があがったあの場面はむしろ原作以上に怖かった。ミスリードに気づく終盤でこんなに泣かされたのも想定外。その反面、明らかに原作を読んでないとわかりづらいところがあり、そのせいで誤解されてると思われるレビューがちらほら見える。逆に原作に沿いすぎて冗長に感じてしまうところもマイナスポイントになってしまった。

心の声だったものをそのままモノローグとして言わせているのも、必要なのはわかるけれどやはり違和感だった。あれではただの「独り言がヤバい人」になってしまうわ。
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