叡福寺清子

ナイト・ウォッチャーの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

ナイト・ウォッチャー(2020年製作の映画)
3.0
ナイトウォッチャー 3.0 9/15
アスペルガー症候群を抱えるバート君.ホテルの深夜帯のフロントとして勤務する傍ら,そのホテルの部屋にカメラをしかけ,コミュニケーションの練習材料として動画を収集しています.そんなある日,いつものように部屋の様子を自宅から覗き込んでいたところ男女の争い,そして銃声と女性の射殺遺体.容疑をかけられるバート君ですが,ある日滞在客のアンドレアさんと親しくなるですが・・・
本作は一見するとサスペンス作品に思えますが,むしろアスペルガーのバート君がアンドレアさんと触れ合うことで,外界との交わりを積極的に行い,愛を知り,そして独り立ちのきっかけを勝ち取るまでの過程を描いた作品と思ったほうがよいでしょう.
そう記載しますと,「ワンダー 君は太陽」級の感動が待っているような感じがありますが,そんなことは全くありません.淡々と物語は進み,淡々とエンドロールが流れる,眼を見張る物があるとすればタイ・シェルダンのアスペルガー演技とアナ・デ・アルマスのおっぱいくらいという凡作の粋を出ない残念作品でございました.
なんというのか,全部中途半端だったんです.バート君がアスペルガー特有に秀でた能力で犯人を突き止めるわけでもなし,犯人がバート君を犯人に仕立てようとするけどそもそもバート君には決定的動画(隠しカメラであっても)があるわけですし,アンドレアさんに人の成長を導いてもらうって側面も,バート君の世代ならアスペルガー関係なしに,極端な話すればアンドレアさんが初めての相手だったら誰だって成長するわな,なんなら私だって今からでもアンドレアさんに相手してもらいたい,我が愚息よ奮い立て!ってなもんですしお寿司.