akihiko810

スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話のakihiko810のレビュー・感想・評価

3.9
フランスの実話映画
監督・脚本は「最強のふたり」のエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュ。
原題「Hors normes」は「規格外」の意味

自閉症の子供達をケアする団体〈正義の声〉を運営しているブリュノの毎日は大忙し。ドロップアウトした若者達を社会復帰させる団体〈寄港〉を運営するマリクも彼に協力していたが、無認可の上に赤字経営のブリュノの施設は閉鎖の危機が迫っていた—— 。

本作のキャストの一部は、本物の介護者と自閉症の若者達が出ているので、まるで本物のドキュメンタリー映画のようなリアリティ。

ヘッドギアをつけていなければ、頭突き等自傷行為を繰り返してしまう少年。重度自閉症患者のケア、というのは途方もなく大変だ…。

以前、電車に乗るのをものすごい勢いで、全身で拒んでいた人(子?)を、なんとか抑えて電車に乗せようとしていたグループがいたのを見たが、あれも自閉症児だったのだろうか。
本作に描かれるような苦労を毎日しているのだから、なんというか、本当に大変なのだと思う。

映画では、あまりに多くの重度自閉症児を受け入れるために、正規でなく無認可でやらざるを得ない団体。綺麗ごとや正論だけでは絶対に回っていかない現実がある。

本作は、ドロップアウトした非行青年たちが更生し、自閉症児たちのケアの仕事をすることも描かれているが、どうしても「自閉症児たち」の比重が大きくて、そこをもっと取り上げてくれればもっとよかったな、とは思った。

とはいえ、本作は観る価値のある作品であることは間違いない。
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