氷雨水葵

ミッドサマー ディレクターズカット版の氷雨水葵のレビュー・感想・評価

3.9
2023年リライト34本目

🌻Happy Midsommar🌻

◆あらすじ
不慮の事故で家族を失ったダニー(フローレンス・ピュー)は、恋人や友人とともにスウェーデンのホルガ村を訪れる。

美しい花々が咲き乱れ、太陽が沈まないこの村で、90年に1度の祝祭が開かれようとしていた。

しかし、祝祭は次第に不穏な空気に包まれていき―――。

◆感想
本日6月21日は夏至ということで、夏至祭を舞台にしたホラー作品を再鑑賞。

個人的には、同監督の『ヘレディタリー/継承』のほうが好き。あの作品も十分気持ち悪いけれど、本作と比べたらたまだマシなので。まぁ、どっちもどっちだけどね!?
本作を劇場で観たときは、ひたすら「何を見せられているんだろう」という気持ちになり、再鑑賞した今でもその気持ちは変わらないし、怖いし、不気味。何が怖いって、白夜でずっと明るいホルガ村のすべてが怖い!伝統的な風習は理解できないし、いくらなんでも過激すぎやしませんか?と今でも思います。序盤から不穏な雰囲気が漂ってたけど、後半はそれが如実に出ていて、一種のカルト宗教みたいな感じ。特にSEXシーンは受け付けなくて、とにかく胸糞シーンでした(個人の感想です)。とはいえ『マザー(A24作品ではない)』ほどではなかった。

個人的には、ダニーの情緒不安定(すぐパニックになる)な感じがすごいイライラする。「なんでスウェーデンに行くこと言ってくれなかったの?」とか「理解しようとしているの」とか、とにかくずっと不安な性格に耐えられませんでした…。彼氏を責める割にはすぐに自分から謝るし、いろいろ言い訳しすぎてもう無理だぁ。フローレンス・ピューの演技はよかったけど、ダニーというキャラクターはまったく共感できない。彼氏に嫌われたくないのか、したくないことをするって相当ストレスだと思うけどね。まぁ同じくらい彼氏にも共感できないけど。ダニーがあんな性格じゃなくても、彼氏ウザって思ってしまった。

村人たちの異様な雰囲気が謎にクセになるのだけれど、やっぱり妄想やトラウマ、狂気、明るいことが逆に恐怖ですね💦

狂気を感じたシーンといえば、赤毛の子が恋のおまじないをし始めたあたりかな…。あの、、、さすがに陰毛を恋のお相手に食べさせるってどうなの…普通にキモいし、それで惹かれる彼氏も意味わからん。「一晩だけ」って言われて、彼女以外と寝る彼氏なんて死刑に値するよね。モザイクありとはいえ、セッするシーンは日本公開作品としてはいろいろギリギリな感じがします。それなら全編グロばっかりのほうが楽しめたかな。エロシーンがくると急に冷める。でも、終盤クマの皮に包まれて彼氏が焼け死んだのは少しすっきりした。ダニーの笑顔も素敵だったよ。

おじいちゃんとおばあちゃんが飛び降りるシーンにはドキッとしました。ホラー作品にありがちな展開だけど、村人たちがそれを良しとしているから余計に怖かったです。
1人、また1人と犠牲になっていくのはよかったけど、ぜひともその過程を見せてほしかったなぁ。
人間の内面というか、トラウマをもとに描いているだけあって脚本は緻密だし、伏線もたくさんあって退屈しない。あとは内容や描写を受け入れられるかどうか。

当時、映画館で観たときは評価低めだったけど、今改めてみると普通に面白いんよな(笑)
映画に関してはいろいろな耐性がついてるから「狂気の祝祭」とか言われても、今更ビビらなくなったのかな。

本作は未公開シーンがいくつかあったものの、特に意味深だったり、伏線になるようなシーンはなかったので、お好きな方を鑑賞ください!

🌻Happy Midsommar🌻
氷雨水葵

氷雨水葵