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Swallow/スワロウのwoosのレビュー・感想・評価

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
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新宿バルト9にて字幕版を鑑賞
2021年新作劇場鑑賞2作目。
客席は5割くらい。
テーマ「飛び立つ」

[全体として]
印象的な豪邸のシーンから始まるし、そこからの流れが去年見た『透明人間』に似ている印象を受ける。
個人的に『透明人間』は合わなかったのだが、今作品はとても興味深く観ることができた。
一見幸せそうに見える主人公ハンターの環境だが、夫の親族からは人として尊重されてはいない。そのストレスから異食症になってしまったのかと言えばお話はそう単純ではなく、彼女が生きてきた過程で少しずつ蝕まれていった心の最後の一押しがあの夫婦生活で顕在化してしまったんだろうと思う。

[良かったところ]
とても恐ろしい映画だった。このシチュエーションは多くの人にとって関係のないシチュエーションだとは思うが、起こる事態としては、ある日突然自分の周りの人に起こってしまうかもしれない題材だからだ。
とはいえ恐ろしいだけではなく、美しい風景や小物、建物の映像と音楽で、主人公の感情をしっかり表している映画だと思った。
例えばハンターが異食症の入り口に立つことになった、義両親との食事で氷を食べるシーンの氷の動き、その後の暗示をしているような窓に貼られた赤いセロファンシート、ビー玉の赤い模様はその後の出来事を暗示させるような使い方をしているし中盤はカーテン?の黄色が印象的に使われるのだが、その時々で印象的な色が目に飛び込んでくる。
また、セリフには頼らず主人公の心の揺らぎを音楽で表していて、余計な情報がなく観られる映画だった。

[気になったところ]
自分の家族がこうなってしまった場合どうするのがいいのかとても恐ろしい。

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映画としてとてもいい体験でした。
おすすめです。
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