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ビニールハウスのwoosのレビュー・感想・評価

ビニールハウス(2022年製作の映画)
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シネマート新宿にて鑑賞。
2024年新作劇場鑑賞15作目。
客席はほぼ7割くらい
テーマ「人間の課題」

[全体として]
普段ならスルーしている作品だが、ムービーウォッチメン課題作品なので鑑賞。
お話的には韓国の片田舎のビニールハウスに家具などを持ち込み暮らしている主人公が、息子が少年院?みたいなとこに入っていてもうすぐ出てくるので二人で暮らそうと、そこそこ裕福な老夫婦(夫は目が不自由、妻は認知症)に雇われて介護の職を得てきたるべき息子とのマンション暮らしに備えている。
年老いた自身の母親もおそらく認知症で入院しており、自分も自傷癖を持っているのでグループセラピーに通っている。
ある日、介護している老夫婦の夫にも認知症の症状が出ていることがわかり、夫婦揃って施設に入る道を選ぶことを告げられる。それはすなわち職を失うことを意味していた。みたいな感じの話。

[良かったところ]
マジで暗い気持ちになるので是非体調の良い時に観た方がいいと思うが、「高齢化社会」「貧困家庭」「身体障害」「育児問題」など現代社会が抱える問題がつまったパンドラの箱を開けてしまったような話で、本当に嫌になる。
でも、目を背けるわけにはいかないんだろうなと薄々感じ始めている今日この頃、一生一人暮らしを決めたのであれば映画『PERFECT DAYS』の主人公のように優雅に暮らせるのだろうけど、多くの人はきっとそうはいかない。
あとこの主人公は都会で暮らしていないだけで、『パラサイト 半地下の家族』と生活レベルは変わりない、どころかあの家族のように特殊なスキルがないたった一人で孤独に戦っている人なので、余計に気が滅入る。
社会はきっと成熟しきってきっと衰退が始まっているのが実感として見える映画だった。

[気になったところ]
いや、どう考えてもバレるでしょ。

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日本も韓国も抱えている問題はきっと同じなんだなと思いました。
おすすめです。
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