あんじょーら

Swallow/スワロウのあんじょーらのレビュー・感想・評価

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
2.6
2021年見逃し後追い作品 その6




飲み込み、という行為に興味があるのは、仕事に少しだけ関わっているからで、でもなんだか避けてしまっていましたが、流石U-NEXTさんはもうラインナップに入っている!という事で観ました、2021年1月1日公開作品でした。




豪邸に住むハンター(ヘイリー・ベネット)は大変な資産家の息子の嫁として、この豪邸に暮らしています。しかし、夫リッチー、その父母との会話はどこか空疎で、生まれの違いを容赦なく感じさせられるのですが・・・というのが冒頭です。




まず映画の色彩感覚や画角の精緻さは物凄くイイです。豪邸や衣服、さらに食べ物やインテリアまで、物凄くお金がかけられていますし、脚本上必要なお金だと思いますし、その見せ方もセンスが良くて素晴らしいです。


役者陣も素晴らしくて、まず主演のヘイリー・ベネットさんは私は「ガール・オン・ザ・トレイン」でしか見た事が無いのですが、全然違った役柄を演じていて、その説得力も素晴らしいです。これは何と言いますか、化粧による部分もあるんだと思うんですけれど、個人的にはチークが効いていると、凄く素朴さ、もっと嫌な言い方になりますが出自を出す意味でも田舎っぽさ、朴訥さを感じてしまいます。でも、確かにそういう役柄だと思うので、頬紅でそれを感じてしまう私の問題なのか、監督や衣装の意図なのか判然としませんけれど、そういう感じがしましたし、強調されていると思います。


割合まんま坊ちゃんな旦那であるリッチーを演じているのはオースティン・ストウェルさんで、無難、と言いたくなりますけれど、そういう演技なんだと思います。まぁこの人のお父さんであるデビッド・ラッシュ演じる父の庇護のもとにいる、そういう人です。この父が非常に問題あると思うのですが・・・


ネタバレは無し、もちろん何も知らないで観る方が断然楽しめる作品です。ただ、私は脚本にちょっと問題あるような気がしますし、恐らく私はフェミニストでありたいと思っていても振る舞いとして足りない自覚出来ていない死角があると思いますし、もちろんフェアネスに重きを置きますが、だからと言って男女が同じではないですし、そもそも人と人は分かり合えないですし、それが普通で、分かり合えたら嬉しいのですけれど、でも、分かり合えないからこそ努力するし、言葉で説明する生き物だと思います。


色彩感覚豊かで画角の精緻さ、その意図まで非常に分かりやすく汲み取れますし、とても女性を扱った作品。だから私が良く分からない部分も多いのも当然だと思います。もっと言うと、凄く身体的に、如何ともしがたい、という事のメタファーなのかな?と感じました。


女性の人にオススメ致します。