おけい

Swallow/スワロウのおけいのレビュー・感想・評価

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
4.3
本作を観て真っ先に思うのは…自分の病いを治せるのは自分しか居ないということ。

金持ち御曹司と結婚し大豪邸に住む。誰もが羨む暮らしを手に入れたハンター(ヘイリーベネット)は、単なるお飾りである自分に自信が持てず徐々に心を病んでいきます。主人公が普段感じているであろう息の詰まるような雰囲気が、冷たくモダンな家に流れる静かな時間の閉塞感とうまく絡んでいて凄い。

唯一心が満たされるのは、異物を飲み込むという行為。

後半登場する監視の為の使用人はシリア出身で、シリアでは戦争で生きることに精一杯で異食症は贅沢病では…というニュアンスをハンターに言うシーンがあります。

恐らく私の世代のサラリーマンにも多いと思うが…会社も突然休むことも無いし、ただがむしゃらに働いてきた人間からすると、彼の言ってることにも半分は同調してしまうシーンだと思う。

しかし…

彼女の過去が明かされていくうちに、そんな気持ちはどこかへ行ってしまった。暖かい巣に戻ってゆく大切さ。血の繋がった家族じゃなくてもいい。ただただ安心して戻れる巣がある大切さ。それが無かったということがどれほどのことか想像を絶する。疎ましそうに弁解して訪問を断ろうとする実の母親との電話で彼女の幼少期からのストレスを十分感じることができる。

彼女は異物を飲み込むことでストレスを発散したが、誰だってストレスを抱え込み何かしらの行為で発散している筈だ。暴飲暴食だって、イジメや陰口だって…。このストレス社会に大きな波紋を及ぼすような骨太な映画だった。

加えてヘイリーベネットは昔から大好きな女優さんなので、見てて飽きなかった。本作でも不思議な魅力を発揮してて大満足。

最後に…私的なことで申し分ないですが、自分もここ数週間は引越しと大雪の通勤(昨日は朝の通勤に5時間拘束)と仕事の忙しさにストレスマックスで🥺大好きな映画鑑賞も出来ずイライラ。引越しの大変さで心無い言葉を家族に浴びせてしまったこともあり反省してます。イラっとしたら深く深呼吸。自宅に帰ったら自由気ままなネコ🐈に癒されつつ、更に断捨離で家事を楽にして自分の充実した時間を作りたいと思ってます。
おけい

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