サーフ

お名前はアドルフ?のサーフのレビュー・感想・評価

お名前はアドルフ?(2018年製作の映画)
3.8
身内が生まれてくる子供に「アドルフ」にすると発表したところから始める大騒動を描いた作品。

基本的にワンシチュエーションの会話劇で展開される。画に動きはなく会話だけで物語は進んでいくので一見退屈っぽく見えそうだが、とにかくこの映画会話のテンポが物凄く良い。何気ない会話でもポンポンと軽快なテンポで進むのでグイグイ物語に引っ張られる。

前半はヒトラーと同じ名前「アドルフ」を実の息子に付けようとする、というこの映画で一番インパクトを含むシーンで、大騒動感はかなり楽しめる。この展開の中にもさりげなく登場人物の性格や言動の方向性が提示される。
後半は打って変わって登場人物の暴露、口喧嘩、真情の吐露など映画の方向性がガラっと変わってくる。序盤の「子供の名前をアドルフにする」というところからどんどん話を膨らませてストーリーをまた違った様相を呈する感じはなかなかの面白さ。その中にも細やかな伏線をはっていたり、構成も練られてる印象。

中盤はアンジャッシュのコント的なすれ違いの面白さあったり、笑える部分はちゃんと笑えた。

会話劇では「おとなの事情」(未視聴)とかは色々な国でリメイクされているけれどこの映画はドイツだからこそ出来る作品かも。
というかドイツはヒトラーやナチスをテーマに本当に色々な映画作るなぁ…。
サーフ

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