ギャス

ハッピー・オールド・イヤーのギャスのレビュー・感想・評価

3.4
モノから始まって気持ちへ。

捨てること、忘れることの
複雑さが語られる。

押し付けても、押し付け切ることはできない。
モノも気持ちも、その所有者1人だけのものとして完結するものではないから。
それがわかるたくさんのエピソードが丁寧に語られる。

前に進む、とはどういうことなのか。
捨てること?
忘れること?

"身勝手"についての判断は分かれるだろうが、そこを思い切ることこそ大切という、かなり現代的で斬新なメッセージなのかもしれない。若さの特性。

ネタバレ
見事にモノが捨て去られた部屋の中で一人流す涙は、悲しみなのか寂しさなのかやり遂げた自分へ、過去への決別なのか。
喜びには見えなかった。
確かに人生は進んだ、それを大人になったとか成長と呼ぶのかもしれない、が、それは多くを失った結果だとすると、それは良かったのかと問いたくなる涙だった。
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