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護られなかった者たちへのmityのレビュー・感想・評価

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
4.0
生活保護費の問題・・・その制度の難しさを考えながら観た映画だった。

命の危険さえあるほど困窮してなお、受け取ることを拒む者がいる一方で、国枝のように不正に受給する者がいるというのが本当にやりきれない。それぞれに事情があるから、家族には頼りたくないという気持ちも分かるし、だからこそ最後の砦のようであって欲しいと思うのに・・・。

際限なくあるものじゃないからこそ、必要としている人に適切に渡って欲しいはずの生活保護費。なのに、見えない圧力の連鎖に巻き取られて零れていく人がいる。。震災が変えてしまった、それがどういうことか、映画を観てやるせない気持ちになった。

ストーリーが進むにつれ、殺人方法が餓死であることの意味が腑に落ちていった。そして、死体を運ぶ姿に哀しくなった。小さな声は届きづらく拾いづらい。だから声を出して欲しい。大きな声をあげて欲しい。映画が伝えたストレートなメッセージが伝わる世界であって欲しいと思った。


#117_2021
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