PIG ピッグのそそのレビュー・感想・評価

ジョンウィック的復讐スリラーかと思いきや、殴られ、諭し、思い出の料理を作ることで真相へと辿り着き喪失と向き合うヒューマンドラマ的趣が強かった(同じく復讐ものかと思いきや中年男のヒューマンドラマだったライダーズオブジャスティスを思い出したり)。色調の暗さとテンポの遅さは気になったが、ロブの設定の開示を推進力とした作劇、鏡像関係的に配置された心に傷を負った2人の男などは巧み。喪ったものは帰ってこないが、逃げずしっかりと向き合う事こそが大切な1歩だ、という現実的な着地もグッときた。