そそ

激怒のそそのレビュー・感想・評価

激怒(1936年製作の映画)
4.0
根拠なき噂の伝播による”事実”に壊される幸せの絶頂。誘拐犯を憎む民衆による”激怒”、冤罪をかけられた主人公による”激怒” を中心に、感情に任せた弾圧/私刑に対する警鐘を立体化する鋭さが良い。単純な二項対立に帰着させていない。憎しみが人々に怒りを生じさせ、共通認識の怒りという正義心が倫理の壁をいとも簡単に超えてしまう恐怖。そして短絡的で感情的な群としての人間においての善悪概念の脆弱さ。それら人間の醜悪さを描写し続けるが故に、ショーウィンドウの中のベッドに象徴される人間性に着地するラストが非常に印象的だった。
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