そそ

市民ケーンのそそのレビュー・感想・評価

市民ケーン(1941年製作の映画)
4.1
回想の積み重ねで一人の人物像を構成する作劇は今は割とオーソドックスかもしれないが、マクガフィンとして薔薇のつぼみを配置する事でミステリとしても展開させている。その多角的なプロットや立体的なパンフォーカスも、80年前の映像作品として確かに凄い。欲しい物を全て得てそれに囲まれてきたが故に他者との純粋な関わり方を知らず、かつ家族という無償の愛を失ったが故に愛を求めている、という築いた巨万の富で埋めた穴が垣間見えるオーソン・ウェルズも良かった。妻を引き留めようとするも自己中心性が露呈してしまい呆れられるシーンが哀しい。
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