主人公と殺人鬼の単純明快な追いかけっこかと思いきや、序盤から犯人が普通に捕まり自白し出す為どういう道を経てどういうゴールに帰着するのかが全く分からない。予測不能な犯人にとにかく揺さぶられるライド感が楽しい。電波の届かない半地下に汚すぎるバスルーム、血のこびり着いた髪の毛、そして屑と無能しかいない登場人物たち。ジメっ気のある色調も相まってとにかく胃がムカムカするが、屑なりに人間味が芽生えてくるキム・ユンソクと少女の関係性にはかなりグッときた(車内の無音の慟哭、手を繋ぐ所なんかは特に。カットと演出の取捨選択の巧さ)。サイコキラーハ・ジョンウも素晴らしいです。ハンサムフェイスを封印した温和さの中の劣情が爆発する怖さね
