トトロイ

スーパーサイズ・ミー: ホーリーチキン !のトトロイのレビュー・感想・評価

3.8
【ファストフード店の壁に書いてある文字…読んでみると確かに意味わからん。】

前作でマックがいかに体に悪いかを実証した監督が、自らファーストフード(FF)店をオープンする映画。
前作との優劣はつけ難い、とても良い映画ですね。

FF店を開くというのは、監督なりの抗議手段の一つなのですが、この店がウィットと皮肉に富んでて、すごく面白かったです。ぜひ行ってみたい!
別にこの映画を見て、FF店が嫌いになったりはしないですが、FF店の経営戦略のエグさを垣間見ることはできます。
飲食店を経営している人が観ると、違った意味で面白いかもしれません。

今作で頻繁に登場するのが、「健康ハロー効果」という単語です。
これは、”低脂肪”、”手作り”、”無添加”、といった言葉を見ると、人はその店が健康に良いと勝手にイメージしてしまうという心理効果を指します。

極端な例だと、「フライドチキン」を「クリスピーチキン」に変えるだけで、少しヘルシーっぽくなりません?どっちも揚げてるのに。

言われてみれば確かにマックも、FRESHとかQUALITY、100%BEEFみたいな英文が壁にびっしり書かれてたり、木目素材や緑、茶色を基調とした店に変わりましたよね…でも、売ってるものは以前と変わってないんです。
見せ掛けの健康志向が身の回りに溢れているということに気づかされましたね。

”厨房で手で割った割りたての卵”を使ってます…普通だからwww

この映画で描かれるもう一つのテーマが、養鶏産業の実態とその悲惨な現状です。こちらは、別の監督の『フードインク』という映画でも詳しく描かれていましたね。
6週間で成長し、太り過ぎで骨折したり、心臓発作を起こしたりする鶏…
こればっかりは、自分も鶏肉を食べる以上、偉そうなことは言えませんが、肉を食べる人は一度観た方が良い映像だと思います。

監督が養鶏場を探し始めた途端、全米の養鶏家に警戒を促す手紙が届くあたり、業界の闇を感じる…マフィアかよ……。
トトロイ

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