掛谷拓也

ホテルローヤルの掛谷拓也のレビュー・感想・評価

ホテルローヤル(2020年製作の映画)
3.2
桜木紫乃の原作小説の映画化。原作にある道東釧路の停滞や閉塞感はかなり薄く表現されている。原作の登場人物たちの寡黙さや諦めも現代のヒューマンドラマ風に改変。

昭和なヒューマンドラマなので浅田次郎小説の映画化作品を思い出した。演者も原作も悪くないのに演出なのかなんなのかぼんやり物足りないのもまたそれ風。

あとこの手のラブホテルが建てられたのはバブル期以前だから70年代後半。回想シーンも70年代の雰囲気。当時生まれた子供が大学入試を受けるのは90年代のはず、そこから親の残したホテルを継いで10年で廃業?初代のiPhoneが登場したのが2007年なのでほとんどの人がガラケーの時代。なのに映画では最新のスマホが出てきたりするので時の流れをうまく消化できなかった。