めたわに

サンダーロードのめたわにのネタバレレビュー・内容・結末

サンダーロード(2018年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

何て映画だ。

よくありがちなアメリカンコメディーかと思って期待せずに観ていたら…上手いしめちゃくちゃいい映画だった。

冒頭、母の葬儀でかわいいオモチャプレイヤーで「涙のサンダーロード」を流そうとするが壊れており、やむを得ず下手くそなダンスだけをアカペラ披露する警察官ジム。スベリまくつて葬儀は変な雰囲気に。しかもこの映像は、親権を争う裁判で使われジムは情緒不安定と判断され親権を認められず🤣
学校で娘クリスタルのことで、逆ギレしようとしたジム机を持ち上げて振り回そうとするも、「それ娘さんの机ですよ」🤣🤣
警官としても失態を繰返し帰れ!いや辞めてやると上着を脱ぎ捨てたジムに、「ズボンも脱いでけ!」🤣🤣🤣

アホな笑いが続いて油断していると
元妻がオーバードーズで死んでから少しずつ雰囲気が変わっていき…
亡くなったジムの母はパレエを楽しんでおり、ジムの生活を圧迫していたダンススタジオは母の肩身で守っていたことが視聴者にも明らかにされる。娘クリスタルとの距離も縮み(アルプス1万尺を特訓した成果か🤣)、最期はジムの母の念願のだった白鳥の湖をクリスタルと共に観る。

我々はここまで観て、初めて冒頭の母の葬儀でジムがダンスを踊ったかが心情的に理解出来るようになる。
母と母が愛したダンスへの想いの強さから、亡き母の為にジムはプレイヤーが壊れているにもかかわらずアカペラで懸命にダンスを踊ったのだ。

なんだこの完璧な流れ😭


監督、音楽、脚本、編集、主演はジム・カミングス。最初に、冒頭のジムのアカペラダンス部分は短編映画としてサンダンス映画祭でグランプリをとっています。これを長編にするためにジムは大変苦労したそうですが、努力が実って良かったですね。ちなみに原作の短編では、プレイヤーは壊れておらず「涙のサンダーロード」にきちんとあわせてジムは踊っているそうです。長編化するにあたり、このキモの部分を冒頭に持ってこようと思い付いたことが、成功に繋がったとのこと。その際にプレイヤーが壊れた設定に変更…

私のようなダメ男は、ハマること間違い無し。いい映画でしたオススメします。
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